【映画】海を感じる時のあらすじやネタバレ、そして実際に【映画】海を感じる時を見た感想をご紹介していきます。
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【映画】海を感じる時の概要と作品情報
(C)2014「海を感じる時」製作委員会
【公開日】
2014年9月
【監督】
安藤 尋
【主題歌】
「泣くかもしれない」MOTEL
【出演者】
市川由衣、池松壮亮、阪井まどか、高尾祥子、三浦誠己、中村久美
【視聴可能な動画配信サービス】
U-NEXT、FODプレミアム、Hulu、Amazonプライム、dTV、Netflix、TSUTAYA ディスカス
【映画】海を感じる時のあらすじ
恵美子と洋は恋人同士というには曖昧な関係です。
高校の先輩後輩だった二人、恵美子は洋をずっと好きでしたが、洋は恵美子に遊びで手を出します。
高校生の洋は恵美子にひどく冷たく、恵美子に手を出したことを後悔しているようなそぶりを取り続けました。しかし二人でいれば関係を持ちます。
二人の関係は大人になってからも続き、洋は洋なりに恵美子を大事にしていると言います。しかし恵美子は満足できませんでした。
高校の頃の関係を知っている恵美子の母親は、二人の交際を当時から反対し続け、今もなお二人のことを許していません。
当時恵美子の母親は苛烈で一方的な怒りを恵美子にぶつけ、親子関係はこじれていました。
母親も歳をとり諦めたのかかつてのような怒りを出すのは稀になりました。
しかし洋が会おうとしても完全に無視するばかりでした。
恵美子は母親の反対を無視してまで洋と同棲するのは踏み切れません。
洋は洋なりに若い頃とは違う姿を恵美子にみせる努力をしていましたが、洋といても決して恵美子は愛されていると実感できないのでした。
【映画】海を感じる時のネタバレと結末
かつては洋が恵美子を本気で好きではなかったため、恵美子は洋からの過去の仕打ちにわだかまりを感じていました。
今の洋は、恵美子に愛情があると言いますが、恵美子にはそれを信じることができません。
恵美子は洋が好きで仕方なく、過去から現在まで洋が好きです。
しかし洋の気持ちを信じられないため疲れ果てていましいた。
洋が何かを言えば、過去のことを蒸し返しながら洋を詰ってしまいます。
洋とのことでこじれた母親も、恵美子の生家を処分し、一人で生きて行くことを恵美子に伝えます。
恵美子への怒りや執着の強かった母は恵美子を諦めたように振る舞うのです。
穏やかと言えるほど落ち着いた母親の様子に恵美子はなんとも言えません。
恵美子のせいで死ぬとまで騒いだ母親の姿はもうありませんでした。
過去のことにこだわってしまう恵美子。
母親のことも洋のことも、過去の恵美子のことを考えているとは思えない一方的なひどい振る舞いが頭を離れません。
大事にされたいのに、大事にされる方法がわからないのです。
恵美子は行きずりの男と関係を持ちます。男は手荒に恵美子を扱いました。そしてそれを洋に伝えます。
洋はそんな恵美子の言葉を、自分の気を引きたいがための虚言だと感じます。
しかしそれが事実だと分かると洋は激しく激昂し、恵美子に暴力をふるいます。
恵美子はやっぱり洋が自分を好きではないのだと思うのですが、洋は好きだから暴力を振るうのだと言います。
そしてそんな恵美子を受け止められない洋は彼女の元を去るのでした。
洋も母親もいなくなり恵美子は一人になりました。
【映画】海を感じる時を実際に見た感想と評価
(C)2014「海を感じる時」製作委員会
原作小説から膨らんで深掘りされているように思います。
一人称で恵美子の世界という感じの小説だったのですが、洋の酷さや母親の苛烈さが丁寧に描かれることで恵美子のしんどさが浮き彫りになりました。
小説では話の筋のわりに淡々としているように思えましたが、映像になることで等身大の彼らの酷さに痛みを感じる恵美子の姿が理解できました。
小説は自分で語っているからこそ事実と距離を置き淡々とすすみ、映画は映像だからこそ恵美子も洋も母親も激しさと人間味がくっきりと浮かんでいました。
池松壮亮演じる洋がとてもはまり役です。
小説よりもろくでなし感が強調されていて、ひどい男だけれど魅力があって恵美子が惹かれるのがわかるようになっています。
時代背景を意識してなのか、セリフが少し硬いというか独特な言い回しが多く不自然な気もするのですが、ちょっとクセのある気取った先輩の洋のキャラクターにはまっており、そしてそれを池松壮亮が演じることで自然に見せています。
市川由衣の少女っぽさと女の子らしい顔だちが洋にツンケンしたり、雨に濡れたり、突然情緒が不安定になったり、困って泣きそうになったり、少女と女の中間という雰囲気があります。
二人がはまり過ぎていて、恵美子が痛々しくかわいそうに見えてしまい、なんて酷い男だ、別れなよ、と恵美子の友達のような気分になります。
R15作品なので濡れ場は多いですが、二人が服を着ていない時よりも、服を着て二人が並んでいる時の、二人の間には関係があると匂わせる佇まいがすごいです。
生っぽさがきちんと映像化されていると思います。一つ一つの動作に説得力があります。
手の握り方、バスで並んで座る、などさりげない時の表情や動作のそれっぽさがすごいです。
絶対にこの二人なんかある、という感じがだだ漏れでその場にいたら気まずくなりそうな空気感を撒き散らす若者のカップルの雰囲気がすごいです。
自分たちの世界に没頭している若者の匂いというか、世界が自分たちのためなんだと言いたげな若さゆえの思い込みがありそうな二人の空気が映像から伝わっています。
あらすじだけだと普遍的な物語のようにも思いますが、主演の二人が個性はあるのにおかしな主張がないので、現代の話にも昔の話にも見れます。
まとめ
酷くて身勝手な洋と懲りない恵美子、よくある男女の組み合わせで、よくある物語のようですが、叙情的に描かれているので退屈になりません。
特に主演の二人が好きな人にはおすすめしたいです。
原作を見ていなかったら、なんか変だなと思いつつも現代の話かと思ってしまうかもしれません。
池松壮亮のファンは特に見て欲しいです。ちょっとだけ駄目っぽい感じのクズさの完璧さがすごいです。
でもこういう彼氏っているよね、というのがさらにリアリティがあります。
そして可愛いのにそういう男を好きになっちゃうんだよね、という恵美子役の市川由衣が可愛くてかわいそうで、気持ちはわかるけど割り切れないよね、でも離れたほうがいいんだよと余計なアドバイスがしたくなる感じになります。